TSUMATABI SUPPORTER妻旅サポーター
TSUMATABI SUPPORTER 03
TAKESHI / KAZUMI HASEBE
妻旅サポーター:03 六花 長谷部 武さん・和美さんご夫婦
サポーターテーマ:宿泊
愛とこだわりのおもてなし
カラマツの木々に囲まれ、1年を通してやさしさと癒しの雰囲気に包まれる宿「六花」。2019年にオープンし、北欧風のハイセンスなつくりが話題を集めています。そんな「六花」を経営する長谷部さんご夫婦が、どのような想いで宿を営み、お客様を迎えているのか。深いこだわりの数々から、嬬恋村の自然の魅力までをお聞きしました。
一人ひとりとじっくり向き合いたい
武さん)もともと、僕たちふたりはそれぞれ東京に住んでいました。父親の別荘があったことがきっかけで、冬に嬬恋村に来てスキー教室の講師をしていたとき、妻の和美と出会ったんです。そして、夫婦になり、この地で一緒に暮らしていこうと決め、ベーカリーカフェを開きました。僕も、妻も、カフェの経営は、それまでの仕事とは無関係で、まったくの手探りからのスタートでしたが、ありがたいことに順調に売り上げを伸ばし、忙しくさせていただいて。リピーターになってくださるお客さんも多かったんです。でも、お店が繁盛していく反面、どうしても一人ひとりのお客様とじっくり言葉を交わす機会や時間が減ったり、疎かになってしまうことに、だんだんとモヤモヤした思いを抱くようになりました。
来てくださったお客様の一人ひとりを丁寧にお迎えし、心からの感謝の気持ちを伝えたいと思っていた僕たちにとっては、これはちょっと違うんじゃないかと。新しい道を模索した末に辿り着いたのが「宿」でした。自分たちのペースを保ちながら、今後長きにわたって続けていけると思ったし、何より来てくださった人にしっかり向き合うことができる。もちろん、大きな不安もありましたが、思い切って人生の新しい扉を開いたんです。
壁紙1枚にも、こだわり抜く
武さん)「この地を訪れるお客様を、徹底的に非日常な空間でもてなしたい」。その目的に忠実に宿づくりを始めました。椅子やテーブル、照明、壁紙など、一つひとつの家具やインテリアのセレクトには少しかけすぎかなというくらい膨大な時間をかけ、宿全体の空間・世界観をコーディネートしました。世界中の建築やインテリアを集めたサイトから多量のサンプルを見比べたり、家具同士のベストな組み合わせやバランス、統一感も考えながら、ときにケンカになるくらい真剣にふたりで話し合いを重ね、地道に緻密に空間づくりを進めていきました。
和美さん)料理では、「何より素材のチカラがおいしさを決める」と思っていて、食材選びに特に力を注いでます。とても甘くて、みずみずしい嬬恋高原野菜をはじめ、その季節ごとに旬の、地元で採れる食材をふんだんに使用することにこだわっています。味はもちろん、彩り、香り、口当たりや歯ごたえなどの食感まで、素材本来が持つよさを最大限に引き出し、活かしながら、おいしい料理にしていくことを心がけています。
武さん)宿の内装は「白」を基調にしていますが、これは、僕らふたりが20世紀中頃の北欧のインテリアスタイルが好きなためです。寒い冬が長く、家の中で過ごす時間が多い北欧の地で、室内を明るく快適に過ごすために生み出された様式で、北欧と似た気候の嬬恋にもよくマッチするんですよね。自分たちの好きなものを、自分たちにとってベストのカタチで表現し、お客様に喜んでもらいたいという想いは、夫婦ともに大切にしていることです。
僕たちの宿は2部屋限定ですが、あえて2組しか泊まれないコンパクトな客室設計にしたのも、自分たちの目や手、声が行き届く範囲で、その領域に関しては空間の隅々に至るまで丁寧につくりたいって思ったんです。インテリアにしても、食材にしても、一つひとつの要素の質にこだわり抜くことが全体としてのクオリティを高めていくと信じていて。僕にとっては、この宿自体が一つの「作品」なんです。結果として、お客様には、そのこだわりを繊細に感じ取っていただき、お褒めの言葉をいただけることも多く、そんなときは非常にうれしく感じます。
嬬恋の冬の魅力を、ここから
和美さん)お客さまには、この村のよさをできるだけ紹介したいと思い、案内もします。私たちふたりは、とくに冬の嬬恋の魅力を味わってほしいと思っています。宿名の「六花」というのは「雪」の別称ですが、ふたりとも嬬恋村の冬が好きという理由でつけたものです。嬬恋の冬は、もっとも寒い時ではマイナス15度にもなり、気温こそ低いですが、風が吹き付けるような痛い冬ではなく、おだやかなんです。特に、静けさに包まれる冬の心地よさ、その幻想的ともいえる空気感を体感してほしいと思います。
息を飲むほど美しい雪景色もぜひ目にしてほしいです。四季折々の表情を見せる嬬恋の自然の美しさに、私はいまでもドキドキするし、ハッとさせられるんです。
武さん)ある意味では、この宿はまだ未完成だと思っています。自分たちの美意識が変わったら、それに応じてフレキシブルにカタチを変えていきたいと思ってるんです。ぜひ、「六花」を出発点として、嬬恋村の自然の魅力と、ここに流れるゆったりとした時間に身をまかせてみてほしいと思います。
六花 ricca
住所 : 群馬県吾妻郡嬬恋村鎌原 1053-2353
TEL : 0279-82-1662
公式ウェブサイトはこちら
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