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エクストリーム夫婦ここに集結!

キャベチュー2019 イベントレポート

「キャベツ畑の中心で妻に愛を叫ぶ」通称キャベチュー。

14年も続くこのイベントは、某人気映画のタイトルをパロディにして命名されました。

時が経ち、そんな背景も風化してきた昨今は「面白いイベント名ですね!本当にキャベツ畑の中心でやってるんですね!」なんて聞かれることもしばしばで、なぜか逆に元になった映画タイトルを教える、みたいなことも出てきている次第です。

5日前に決めた「前夜祭」

毎年キャベチューは、村内の観光事業者、一次産業従事者、行政担当者といったマルチステークホルダーと、いわゆる「関係人口」と呼ばれる嬬恋村を愛して止まない村外のクリエイターたちが、年に一度交流を深めに集まるイベントです。

遠方から訪れる人達を中心に、イベント前日に、前夜祭と称して一席設けるのがここ数年の慣習になっています。

今年の前夜祭参加者は、総勢23名。

毎回頭が下がるのが、この時期毎朝2時に起きてキャベツの収穫をしている農家の方々が、必ず数名参加してくださることです。

「酒の匂いがしたから来ちゃったよ!」

とテンション高めにやってきてくれますが、飲み終わったあとの数時間後ハードな農作業が待っているにも関わらず、この一年に一度の会合に、数年にわたりマメに参加してくれて、本当にありがたい限りです。

そしてなぜか毎年遠方から、このイベントに吸い寄せられるように新しいキープレイヤーがやってくるのがキャベチューの面白いところ。

昨年は台湾、その前は和歌山、その前はアメリカ、福島、佐賀、伊勢といったように、全国各地からこの活動の現場を体感したいと、実に様々な方々が集まってきてくれます。

今年やってきたのは、地元メディアと「幸福井新聞」なるものを企画し、展開してくれた日本愛妻家協会福井支部の支部長さん。

呉服屋さんの四代目の彼は、素敵な和装で颯爽と家族で訪れてくれました。

「良ければ前夜祭で、村の方達と一緒に触れ合いませんか?当日のイベントで触れ合うだけでなく、特別な関係になれますし、特別な体験になりますよ。」

新しく共感してくれた方には、こんな風にお声がけしています。

それでもやはり諸事情あって、実際に参加できる人というのは毎年ごく限られるのですが、今年の福井の御仁は、イベント前日に決断し、電光石火のスケジューリングで堂々嬬恋村に来てくれたのでした。

(村内外から総勢23名が集結!)

良く飲み、良く食べ、良く笑い、良く話す。

今年も前夜祭は、一年間の想いや、14年分の昔話に大いに花を咲かせて、無事終了した次第です。

久しぶりのド晴天!

2019年9月8日(日)。

キャベチュー本番は、ここ数年なかったド晴天。

震災があったあの年も、バケツがひっくり返るような大雨の年も、目まぐるしく天候が変化したあの年も、決して中止しなかったメンバーは、このド晴天だけで一気にボルテージが上がります!

「レディースアンドジェントルマン!!ウェルカムトゥツマゴーイ!!」

いつもの挨拶を号令に、時が11時を刻むと、ご列席の来賓の方々からありがたいご挨拶やご祝辞を頂戴し、いつも通り賑々しく会はスタートします。

日本愛妻家協会ファウンダーで、キャベチューの生みの親、山名事務局長が愛妻の丘が生まれた奇跡と、こうして人が集まり続けることの力を穏やかに話しはじめると、キャベチューを楽しもうとする独特の空気が会場を包みます。

今年は、男たちの愛の力で一方向に力強く傾き、片葉となったシンボルツリーを「叫ばれ松」と命名。

「叫び台」に「ハートデザインの花々」に「ハグオブジェ」。そしてここに新しく丘を彩る新名所「叫ばれ松」が誕生した次第です。

キャベチュー14スタートッ!

今年もまずは皆で愛を叫ぶ練習「叫びストレッチ」です。

来賓で挨拶に来ただけの御仁も、撮影に来た地元の人も、偶然丘に立ち寄った人々も、みんなでイベントの成功と、何かを抱えて叫びに来た夫婦を応援しようという気持ちを、この叫びで心一つにします。

みんなでせーので「愛してる、よーーー!!!」と叫ぶだけのこの儀式で、エントリーしたサケビストも、それを聞きに来た観客も、そして関係者も、皆のボルテージが一気に高まります。

叫びストレッチが終わると、エントリー順に名前が呼ばれます。

今年も実に個性豊かなサケビストが、次々と登場。

トップバッターは、昨年のキャベチュー13で公開プロポーズを行なったワカモノ。キャベチュープロポーズの後、無事に結婚できました!の報告と、今年も100本のバラ攻撃でリプロポーズを炸裂。

のっけから質の高い叫びが披露されると、早速会場内にどよめきが湧きます。

こうしたサプライズに、賞賛の声とあたたかい拍手が自然と起こる。それがキャベチューの魅力のひとつとも言えます。

今年はこんなエピソードを持ったお二人も現れました。

キャベチューで、旦那さんにいつか叫んでもらうべく、キャベチュー6(2011)のタイミングからずっと資料を請求してくれていた奥様が、満を持して昨年のキャベチュー13(2018)に旦那さんを連れてくるも、敵前逃亡よろしく昨年は叫んでもらえず…。

今年こそは!の思いで再度お越しいただいたご夫婦の思いはやっと結実し、実に素晴らしい叫びを披露してくださいました。

勇気を持って叫んでくれた旦那さんの勇気を讃え、今度は奥様がその感謝を伝えるべく愛を叫びます。

長年のアプローチを経て、お互いに本音をぶつけ合うと、夫婦ってこんな素敵な笑顔になります。

丘に連れてくるまで7年。叫ばせるまで8年。奥様の情熱的で一途な愛情に、丘全体が自然とあたたかい気持ちに包まれます。

前夜祭から参加した福井の呉服屋四代目にして日本愛妻家協会福井支部長を名乗る御仁も堂々登場。

片道5時間の道程もなんのその、元気に嬬恋村入りした彼も、心の中から素直さと勇気を放出します。

同じく素敵な和装でご子息と一緒にお越しいただいた奥様も弾けんばかりのこの笑顔です。

「キャベツ畑の中心で妻に愛を叫ぶ」であるキャベチューは、夫が妻に愛を叫ぶイベントではありますが、こうして家族となってからも、子の母である妻に愛を伝えることの重要性を強く感じて参加してくださる方々が毎年参加してくれます。

14年も続けていると「実はお父さんとお母さんがこのイベントに参加していたので私たちも参加しました!」なんてこともこれまで枚挙にいとまがありません。

感極まってハグしてしまう夫婦。

メディアに囲まれちゃう夫婦。

毎年ここで愛を確かめ合う夫婦。

米国で暮らす夫に、ビザの取得と愛を叫ぶワイフ。

本当に多種多様、様々な個性を持った夫婦と出会えます。

日本愛妻家協会は、ここで起きる全ての事柄を、毎回生温かく、ただただ見守っているに過ぎません。

事務局長も、事務局長代理も、主任調査員達も、皆同じ気持ちです。

上田市から参加いただいた御仁は、天国に先立たれた奥様へ、思いよ届け!と目一杯の言葉で天に叫んでくれました。

「一粒種の娘を残してくれてありがとう!おかげで元気にやってます。お前のおかげだよ。ありがとう。愛してるよ。」

会場は涙に包まれます。

「みなさんせっかくですから、何かの縁があって夫婦になってます。どうか相手には、伝えられるうちに伝えてやってくださいね。」

言葉の一つ一つに重みがあります。

全ての参加者、関係者に感謝を込めて。

サケビストを、関係者を、たくさん撮影してくださるカメラマンがいます。

会場を設営してくれる、ボランティアの方々がいます。

キャベツの収穫体験を仕掛けて、盛り上げてくれる若手次世代農業家がいます。

地ビールで盛り上げてくださる方がいます。

地元の野菜で盛り上げてくださる方がいます。

トークや叫ぶ、時に踊りで盛り上げるメンバーがいます。

来年も、そして再来年も、いつものメンバー、新しいメンバーが入り混じったたくさんの仲間と、このイベントがずっと続いていく。

嬬恋村がそんな愛妻家の聖地たる地域であり続けることを、心から祈念して。

(文責 日本愛妻家協会 事務局長代理/嬬恋村観光大使 小菅 隆太)